月を見上げる季節となりました。
奈良も京都も美しい空に冴えた月は仲秋の名月、十六夜の月も絵になります。それまでは呑気に見ていた月も、恩人が倒れてからは毎月8日薬師寺に病気が治るようにお詣りするのが13年間続きました。
結局、健康食品は日の目を見ず、SA(サービスエリア)にイベントで配る商品を提案して買い上げて頂きました。商品をつくるのに借りたお金を返すため、必死で働きました。祇園でアルバイトもしました。働きながら、これから先いったい何をしたらよいものかと悩んでおりましたが、自分自身がお客様を持たなければ商売は出来ないのだと気づき、3年だけと決めて保険会社で働いてネットワークを広げ、お店の基礎となるお客様を創りました。
3年後の1991年(平成3年)9月18日、当時世の中はバブル絶頂でした。嫁ぎ先が不動産会社をしていた友人の勧めで、持ち物件の店舗で「祇園あきしの」を創業しました。
親には反対され、周囲からもよそ者、素人には経営なんて絶対無理!!と言われました。ましてや祇園町で板前さんを使うなんてことできるはずもないと、云われれば云われる程意地になりました。無我夢中でお店を始めたまでは良かったのですが、その時から、毎日やることが次から次へと山のように出てきて、寝る暇もない日々が始まったのです。
つづく